阿笠博士ボス説は"正解だった”のでは
これは証拠もない単なる推測だが、連載開始当時の設定では大ボスは阿笠博士だったんじゃないかなあと邪推している。
とくに新一が幼児化したあと工藤邸に帰ったとき、阿笠博士と遭遇するのが非常に違和感ある。
体が小さくなって大混乱してるところ、自分の家に帰るのは当たり前だが、そこで出会うのが隣の博士って、、、
コナン「ゆすってる奴らを見ちまったんだよ・・・」
博士「それで君の口をふさぐために毒薬を・・・」
コナン(ダッセー、ガキのころの服がピッタリだぜ・・・)
博士「そうか、未完成だったその薬の不思議な作用で体が小さくなってしまったというわけか・・・」
この「未完成だった」という言い方が引っかかるのよ。
試作品だとはわかってるけど、なんか「未完成」っていうのがねえ。
「試作品」っていう言い方と「未完成」だと、
未完成のほうがより完成度が低いイメージ。
わざわざ言い換えるのかという感じ。
そもそも「未完成」ってわざわざ言う必要あるのかなって感じなのよ。
コナン「じゃあ、奴らの居場所をつきとめて、あの薬を手に入れればいいんだな!!」
博士「ああ・・・あの薬があれば、なんとかなるかもしれんが・・・」「・・・・・・・・・」
博士「新一君!!小さくなった事はワシ以外にはいってはならんぞ!!」
コナン「え?なんで・・・」
このやりとりですよ!!!!!
途中に入る博士の「・・・・・・・・」
この三点リーダーがめっちゃきになる!!
「・・・・」で表してるのは、焦りとか逡巡とか迷いとか、まずいことになったなとか、悩みとか、そういった方向の感情だよね。
青山先生は文章のあとの三点リーダーは普通に使うけど、かぎかっこで三点リーダーだけってのは、なんらかの感情を含んでると思います
「子供のころからよく知っている隣の家の子が自分の組織の薬でちいさくなってしまった」
ことへの焦りだったんではと
阿笠博士がコナンの方を掴んでいきなり「誰にもいってはならんぞ!」っていうの、そもそも前のコマとなんとなく飛躍が大きいし、それまでの博士の顔つきとは全然ちがうんだよね。
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顔怖すぎ。けんまくすごすぎ
そもそも、よくよく考えたら、最初に再会すべきなのは蘭姉ちゃんだよね?
新一が家に帰ってきたタイミングで蘭姉ちゃんがくればいい。
阿笠博士がいる必然性がない。
工藤邸の門を開けるために登場させるわけない。
そこに阿笠博士がいるのは、そもそもなぜなのだろう
連載開始の時点でいまの96巻に至るストーリーをすべて組み立てていたとは考えにくい
いくら実績十分の青山剛昌先生とはいえ、日本の週刊漫画連載のシステムの範疇にいる作家さん。
人気やご自身の体調、世相やアニメの状況に応じて本筋をいじることもある
むしろ、それでより話が面白くなるなら、積極的にアニメからの逆輸入キャラや設定を活かす人だと思う。
実際、話の本筋に関わる太閤名人こと羽田秀吉の彼女はアニメ逆輸入キャラの宮本由美だし。
正直、1巻の時点で赤井一家や宮野一家のキャラ造形を既に終えていたとしたら、もうお手上げです。
1巻から概ね10巻くらいまでは、もうちょっとストーリー全体のスケジュール感が狭くて、非常に限られたキャラで話を進めていた感じ。
2巻「奇妙な人探し事件」で宮野明美が出てくるので、ここで話全体を構想していたとも考えられなくないけど、やはりまだ2巻。連載がいつまでいくのかもわからない時期に構想してたとは考えにくい。
風向きが変わったのは12巻「ゲーム会社殺人事件」
なんといってもジンとウオッカ以外のコードネームが与えられたキャラが出てくるところ、男であるテキーラにしっかり蒸留酒の名が与えられている点、そして「ゲーム」というプログラミング技術が関与する話である点から、12巻あたりからけっこう組織の全体像、つまり現在連載中の話までにつながる話が匂ってくる。
だって「時の流れに逆らって、死者を蘇らせようとしているのだから」っていう重要ワードが出てくるのも、「黒の組織との接触」で板倉のゲームの話のとき。
これは偶然とは考えにくい。
そしてついに、灰原初登場
18巻より前とその後のシリーズで、名探偵コナンという作品は決定的に別の話をしていると思う
18巻以降は日常編にも伏線があるかもしれないと思うようにしてるし、設定の矛盾や気になる点は基本的に計算されていると考えている
逆に18巻より前、場合によっては12巻前後の話や設定の矛盾はあまり気にしない
連載の都合みたいなメタ的な要素がけっこう大きいと思うからw
12〜18巻までの時期に、阿笠博士のボス設定を転換して、もっと壮大な話を組み立てたんじゃないかなあと思っています。
まあ、18巻の時点でベルモット編の伏線やラム編の羽田浩司の伏線を張っていたと考えただけでも、背筋がぞわっとするけどね
いかがでしょうか